おおきなかぶおじいさん、おばあさん、まご、いぬ、ねこ、ねずみ、みんなで引っ張っても抜けません。 村人総出で引っ張ります。まるで、県境でやっていた綱引きのよう です。 次の日、県の偉い人がやってきて自衛隊の出動を要請しました。 全世界のメディアも実況生中継です。 戦車がくさりをかぶにつけて後ろにさがります。 まるで、どこかで見た光景のようです。 国内外の人が見守っているなか、かぶはその姿をあらわしはじめま した。 おおきな地響きとともに地面が割れ、見えてきたものは――― かぶのさきに見えたものは、とてつもないおおきなかぶでした。 でも、とてつもないおおきなかぶのさきには―――― そのかぶを引っ張ろうとしていた工作機械、作業員、そして表れて きたもうひとつの地球が――――。 |